チェヨンに恋してソウル編13

初めてのデートにウンスの頬は緩みっぱなしだった。

チェヨンの手を引き行きたい店を回っていく。

洋服屋に雑貨屋さんジュエリーショップにも寄った。

素敵な旦那様ですね。

いえ、まだ結婚はしていなくて

結婚指輪をお探しですか、婚約指輪をお探しですか?

い、いえ、見ているだけてすから。

結婚指輪とは?

あぁ、こちらの世界では結婚する時にお互いに指輪を交換して、それを一生指にはめておくの。

他の人から見たらこの人は結婚している人なんだってわかるし、この人は私のものよって印にもなる。

ほぅ。そうなのか。

それは男もするというものなのか?

うん。恥ずかしいとか、邪魔だとかでしない人がもいるけどね。

天界とは感慨深い風習があるのだな。

勉強になる。

ヨン、そろそろお腹空いた。

朝も食べていないし。何を食べよう

ジュエリーショップを出たウンスが立ち止まりランチを考えだす。

ウンス、この辺りにひと気の少ない所はあるか?

ひと気の少ない場所?何で?

二人きりになりたい。

え?何で?疲れちゃった?

ウンスの問いに答えることなく、辺りを見回すチェヨンの視界にこじんまりとした寺が視界に入った。

チェヨンはウンスの手を引いてその寺の門を潜っていく。

ねー、ヨン。お寺で何を?

さて、やっと二人きりになれたな。

え?

ウンスがチェヨンの顔を見上げると、チェヨンくるりと向きを変えて寺の門を見た。

そこには春だというのにニット帽を深く被り、サングラスをかけた若い男が立っていた。

ニット帽とサングラス以外はかなりセンスのいい服を着こなし、背も高くモデルかのようなお洒落な人だった。

何故付いて来る?俺に用が?

お前はウンスの何だ?

男の声にウンスは聞き覚えがあった。

もしかして、ソンフンさん?

ウンス、その男は誰だ。

ソンフンさんどうしたの?

車で近くを通りかかったら、ウンスが見えたので追ってきた。

ヨン、落ちついて。さっきソンフンさんの話をしたでしょ?

ユチョンさんの。

チェヨンがウンスを背に隠した。

やらん。ウンスは俺のものだ。失せろ

ウンスの彼氏なのか?随分俺様な言い様たな。

人の事言えないと思うけど。

ウンスの呟きにムキになるソンフン。

何だと!?

俺のウンスと話すな。

本当にユチョンなのか?どちらかと言うとユチョンよりウォルリョンの様な気がするが。

ウォルリョン?誰だ?

ウンス、一緒にランチに行こう。

腹ぺこなんだ。

子犬の様な瞳でウンスの顔を覗き込んでくるソンフンに思わず可愛いと、呟いてしまうウンス。

ウンス!こいつの顔を見るな!言葉を交わすな!

えと、ソンフンさん、覚えていない?この人、ウダルチのテジャンのチェヨンだけど。

テジャン?ウダルチの精鋭に居た話はなんとなく聞いたが。

また前世の話しか?

俺そういうの苦手なんだよ。お化けとか、心霊現象ぽいのとか。

あそうではないんだけどね。

説明するののも面倒になってしまったウンスが、話題を変えた。

ソンフンさん、今日はねヨンとデートなの。お食事は今度に。

おい!今度とはどういうことだ!ユチョンと二人で行くつもりか!

違う!社交辞令って行ってね行かなくても礼儀としてあ

ウンス冷たいな。前世で俺は弟扱いだったのだろ?で、現世では社交辞令で突き放され

はははは

ウンスは乾いた笑いを残すしかなかった。

作戦を変えたソンフンがチェヨンの顔を覗き込んだ。

ねぇ。チェヨンさん。ご飯食べに行こう?

は?

チェヨンさんが行ってくれたらウンスは行くだろ。

さぁ早く。俺、あんまり時間ないんだ。

そう言ってソンフンはチェヨンの腕を掴んで歩き出す。

ウンス!これはどういう事だ!?この男を何とかしろ。

チェヨンさんご飯を食べるだけだけら怒らないでよ。直ぐ近くだから

そう言って連れて来られたのは歩いて直ぐにある日本の寿司屋だった。

寿司屋の前でウンスの表情が輝き出す。

え!?お寿司!?私お寿司好き!

そうなのか?どんどん食べて。俺の奢りだから。

ここは俺の行きつけなんだ。凄く美味いよ。

カウンターの席で、ウンスを真ん中にして座った3人。

ソンフンが気に入らないチェヨンの表情は硬かった。

ウンスは嬉しかったが、恐らくチェヨンは生の魚など食べた事ないだろうと、ウンスは心配して見ていた。

ヨン生のお魚なんだけど食べれそう?

生の魚なのか?焼いたり煮たりしないのか?

そういうのもあるけど、基本は生なの。

凄くおいしくてね。お腹が痛くなることはないから安心して。

次と目の前に置かれる生の魚にチェヨンの目は釘づけだった。

美味しそうに食べるウンスとソンフンを見ながら、同じく醤油をつけ食べてみる。

ううまい。なんか辛いのかツンとするものがあるが、生の魚がこんなに美味いとは

でしょ?美味しいよね。

チェヨンさんは寿司初めてなの?珍しい人だね。

ソンフンの問いにウンスが返答した。

昔ながらの食事の方が好きなだけなの。

ウンス、交換してよ。また寿司を食べに行こう。

本当!?今度はチャン先生もあ

ヨンの視線が後頭部から感じ、ウンスは言葉を止めた。

ユチョン、ウンスを口説くな。

ユチョンじゃないんだけど。ただ友達としてご飯食べに行くだけじゃん。冷たいな。

じゃあ、チェヨンさん交換して、だったらいいでしょ?また皆で食べに行こう。

断る。

えー!冷たすぎる。スマホ貸して

ソンフンは、チェヨンのポケットからスマホを取り出すと勝手にの交換をしてしまう。

この世界の男は皆こんなに軽いのか?年上を敬う事はしないのか?

いやソンフンさんだけだと思う。

そんな会話をしつつお腹いっぱい寿司を食べた3人は会計を済ませたソンフンと共に外に出て来た。

じゃあ、俺行くね。仕事が押してるんだ、チェヨンさんもランチに付き合ってくれてありがとう。

またご飯に行こうね。

そう言って去っていくソンフンをチェヨンは呆れて見ていた。

一方的な奴だな。あのユチョンとは思えん。

だが、飯も振舞ってくれたし。悪い奴ではなさそうだ。

ソンフンさんに合ったの2回目だけど、面白い人ね。

テグムは凄く上手なのよ。

あいつと連絡を取り合ったり、独りで会ったりしては駄目だからな。

わかってる。そろそろ帰る?ヨンは行きたい所ない?

そうだな

チェヨンは空を見ながら少し考えた。

まいあさんに新しい画像を作って頂きました。

現代に来たチェヨンがウンスを優しく見守っています

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